マドモアゼル ルノルマンは占星術や手相占いだけでなく、トランプ占いをしていたことが特に有名です。

現存しているルノルマンの肖像画や、挿絵から垣間見ることができるトランプ占いの方法は、ナポレオンまたは士官のような人物の前で、横長にカードを置き、隣接カードを読んでいる姿が、この図です。

 

ただし、この図では、カードが何段置かれているかがわかりません。

 

他にもロべスピエールと並んでリーディングをしている図がありますが、この図では

縦に4段、横に7列のように見えます。

 

しかし、これを手掛かりにしてよいのでしょうか?

画家が、ルノルマンの占いに忠実に描いているのか?

または、想像画なのか?は、写真がなかった時代のことなので、なかなかわかりません。

 

いったい、ルノルマンの行っていたトランプ占いとは、どんなものだったのでしょう?

 

フランス国立図書館の中にある同時代人の書いた占いの方法の書があります。

その書に従って、ルノルマンのトランプ占いの手法を見てみることにしましょう。

縦4段、横9列のトランプの並びは、シャッフルしたカードを順番に左から右、上から下へと並べる、ごく簡単な並べ方で占う手法でした。

 

例えば、14番の恋愛の上に来たトランプの意味と、そこに隣接するカードを読んでいく際に、カードの意味と、置かれた場所の意味の双方をリーディングしながら、全体を読んでいく方法です。

 

ここで注意しなければならないのは、一般的なルノルマンカードに描かれているトランプと、トランプ占いのトランプは、少々異なると言う点です。

 

ルノルマンカードは

エース、キング、クィーン、ジャック、10、9.8.7.6

以上の9種類が描かれていて、女性自身がクライエントの場合は、スペードのエース。男性自身の場合は、ハートのエースが人物カードとなり、動物が描かれているカードやジャックのカードが、クライエントの周囲にいる人たちを表しているとみてリーディングしていきます。

 

ルノルマントランプ占いは、エース、キング、クィーン、ジャック、10、9.8.7までは、同じですが、6のカードを使わず、2のカードを使って36枚のトランプで占うという手法をとっています。

2のカードが入ることで、ピンと来るのが、「大貧民」などのカードゲームです。

この占いの本を書いた人の説が正しければ、ルノルマンはフランス式でもイギリス式でもない、ロシアやイタリア式のカードゲームを下地とした方法を使っていたことになります。

トランプカードにはどんな意味があるのかは、今後、このHPにもアップしていくことにしますが、今の時点は、この4×9の並びの上に、ルノルマンカードを置いてリーディングの練習をするのも、リーディング能力を高める一つの方法になると思われます。

 

フランス国立図書館の中にあった本に書かれたリーディングの方法は、エッティラのタロットにも言及しているとするタイトルがつけられていますが、

著者が、どのような人物で、他にどのような著作物を出版しているのかなどの裏を取らない限りは、そうであると断定することができません。

 

ただし、リーディングは、それが有用であるかどうか、当たっているかどうかに重点があります。

この手法を使って、どんな結果が出るかを試してみることが、一番なのではないでしょうか?

 

ただし、当たるからと言って、ルノルマンがこの方法をとっていたと断定することもできないのが、時を超えて甦ったリーディングの情報収集に対して難しく感じるところです。

純粋に、興味をもって、トランプ占いをする気持ちで、試してみましょう。