【ルノルマン・カード】の前身となるカードの誕生秘話、フランス革命の時代をたくましく生きた女性占い師ルノルマンの波乱万丈な人生を知ることができます。
筆者がルノルマン縁の地に足を運び、痕跡をたどりながら啓示を得て、肖像画から情報を読み取っていく姿は、さすがカードの読み手といった感じです。
正直に言って、史実の信憑性が気になる方にはこの解説書は向かないかもしれませんが(?)直感を大事にしている方は、筆者の方と同じようにルノルマンの確かな存在感を感じられるのではないでしょうか。

カードですが、大英博物館所蔵の復刻版『ルノルマン・ピケ』にできるだけ忠実にシンボルを描いたとありました。微細な色鉛筆のようなタッチで書かれた絵柄がやわらかく美しいです。絵柄、スート、数字が重なるデザインですべての情報がパッと視覚に入り感覚的に理解できるところがいいです。現代的で合理的だと思います。
ただカードの解説とサンプルは若干少ないかなと思いました。基礎の基礎とするのであればもう少し数秘のことも触れてくれたらよかったです。なので☆4つに。ある程度数秘のことやタロットについて知っている方のほうがより楽しめるかも…。
それぞれのカードのリーディングのポイントが載っているのですが、筆者のテクニックを垣間見ることができます。

カードの1枚1枚に触り、すべてを並べて眺めてみます。先に解説書でルノルマンの人生に触れたこともあってか彼女のエネルギーが降りてくるような気持ちになりました。(気のせいかもしれませんが 笑)
このカードがなぜ【ルノルマン】という名前を冠されたか、今もたくさんの人々に愛されているのか、個人的には納得のいく答えを提示してくれる力強い本とカードでした。