ルノルマン・ギャラリー

ここには、マドモアゼル ルノルマンの活躍したサロンのあったパリのサンジェルマン地区、マドモアゼルが眠る墓地、現存する『希望のゲーム』(ルノルマンカードのこと)や、マドモアゼル ルノルマン自身の執筆した書物からみられるマドモアゼルの鑑定したフランス革命の革命家や、マドモアゼルを有名にしたジョセフィーヌ、ナポレオンなどの肖像、更に、マドモアゼルの書物に掲載されている肖像画、そしてマドモアゼル本人のサインなど、さまざまなビジュアル資料を掲載しました。マドモアゼル ルノルマンについての書籍や翻訳本がまだまだ少ない現在、カードを学ぶ方たちの一助となることを望んでいます。


マドモアゼル ルノルマンの肖像画

マドモアゼル ルノルマンの肖像画が展示されているのは、ご当地パリではなく、イギリスはヨークシャーのバーナードという処にある「バウズ美術館」でした。

フランス人の若い女優と結婚したイギリスのお金持ちバウ氏は、妻ジョセフィーヌ(偶然にも、ジョセフィーヌと同じ名前)との間に子供ができなかったので、私財を擲って、フランスのシャトーに似た建築物を、最初から美術館とするためにイギリスのバーナードに建てました。

その美術館に展示するための美術品を買い集め、皇帝ナポレオン時代に、彼の周りで活躍した人々の肖像画を一堂に集めた部屋を作りました。

左下の写真が、バーナードのバウズ美術館。イギリス人にもあまりに知られていない美術館ですが、ビクトリア&アルバートミュージアムに展示されるものはここにも展示されるという、由緒のある美術館です。右下はバレエダンサーや貴婦人などと一緒に並べられたマドモアゼル ルノルマンの肖像。


美術館は3階建てで、そのトップフロアに肖像画の間があります。内部には、ルーブル美術館やヴェルサイユ宮殿を想像させるに足る、フランスの雰囲気が漂っています。肖像画の間には、ナポレオンの大きな絵が飾られていて、その右下に小さなジョセフィーヌ。左下に、ルノルマンやそのほかの時の有名な女性たちの肖像画が飾られています。


当時、ジョセフィーヌやテレーズなど処刑をま逃れた貴婦人たちが流行らせた「被害者の髪型」と呼ばれるショートカットのヘアスタイルをしたマドモアゼル ルノルマンの肖像画がこれです。ギリシア風の胸が透けるドレスがサロンで流行っていたので、マドモアゼル ルノルマンも少し透けるピンク色のドレスをまとっているように見えます。フランス南部の人らしい黒い髪とダークな瞳、白い肌で小柄な女性として描かれています。

実際の絵の大きさを知っていただきたいので、私が横に立ってみました。結構、小さめな絵画だということがわかっていただけると思います。


下は、この肖像画の解説です。

Philibert Ledoux(1767-1840)

マドモアゼル マリーアン ルノルマン(1772-1843)

(訳)

マリーアン ルノルマンは、手相占い師として知られていました。彼女は1772年に生まれ、カードリーディングの手法を学んだパリに住んでいました。マリーアンは「お告げの部屋」を開き長年にわたって、すべての階層の人たちの占いをしてきました。

その中には、皇帝ナポレオンや、彼の最初の妃ジョセフィーヌ ド ボハネスなどもいました。

1807年のこと、ルノルマンは、ナポレオンの手相を見て、離婚の相が出ていると予見しましたが、ナポレオンはそれを漏らしたくなかったので、ジョセフィーヌとの離婚が成り立つまでの12日間、ルノルマンを刑務所に拘留しました。

この出来事が、占い師としての彼女に名声を与える結果となり、ルノルマンはその時代において、彼女ならではだと考えられるような存在とするに足りる出来事となりました。


The Bowes Museum
Barnard Castle, County Durham, England, DL12 8NP
If you are planning a visit to see this painting, check with the collection first. Paintings can be moved at short notice.

More on this painting

Accession number:
B.M.851
Acquisition method:
bequeathed by the Founders, 1885
Rue de Tournon
Rue de Tournon

マドモアゼル・ルノルマンのサロンがあったパリのサンジェルマン地区の現在の様子                    

サンジェルマン デ プレの元老院に続くRue de Tournon
サンジェルマン デ プレの元老院に続くRue de Tournon

マドモアゼル ルノルマンのサロンのあったビル

2014年のクリスマスイヴにプリンシパル・小宮ベーカー純子が訪れた時の写真です。以前はハウスナンバー9だったルノルマンの元サロン前。今はナンバー5となっています。
2014年のクリスマスイヴにプリンシパル・小宮ベーカー純子が訪れた時の写真です。以前はハウスナンバー9だったルノルマンの元サロン前。今はナンバー5となっています。

マドモアゼル ルノルマンの眠る墓地

同じく2014年のクリスマスイヴに撮影した写真です。ペールラシェーズ墓地のディビジョン3にあるマドモアゼルの墓石は、訪れる人が飾った花でいっぱいです。
同じく2014年のクリスマスイヴに撮影した写真です。ペールラシェーズ墓地のディビジョン3にあるマドモアゼルの墓石は、訪れる人が飾った花でいっぱいです。


オーストリア製のルノルマンカード


当ルノルマンスクールでは、トランプの絵柄がはっきりとわかるオーストリア製のWahrsagekarten Cartomancy Deck [Jew de destin]を使用しています。


カードの意味は、こちらに書いてありますので、ご自分でリーディングをする際の参考にしてください。

ただし、カードの意味は、質問によって100人100通り、1000人1000通りもあると考え

案件の本質をとらえた質問をするように努力してみることをお薦めします。


本質的でかつ現実的な質問に対して、ルノルマンカードは的確な答えを示してくれます。




現存する初期のルノルマンカード

Ur-Lenormand: Das Spiel der Hoffnung 『希望のゲーム』と名付けられたこのカードの復刻版が出ています。




時代の背後を読み込むための紋章の暗号

欧州の紋章には、ライオンとユニコーンがついているものが多くあります。

ライオンの位置がどちらに置かれているかで、支配する力の誇示がなされている事を見ることができるようになっています。

この紋章は、ルノルマンとの間に友情を育てたと言われているジョセフィーヌとその友人テレ―ズが刑務所から出るために力添えを得た政治家バラスの後ろ盾だったドイツのロートシルト家(ロスチャイルド家)の紋章です。

ここに描かれている動物は、当時の欧州で隠語とされていたり、シンボルとされていたとみられ、ドイツの真鍮職人にしてデザイナー、印刷業を営んでいたカール ヘクテルによって作られた初期のルノルマンカードに描かれたシンボルとの関係を読み解くための鍵が隠されていそうです。


マドモアゼル・ルノルマンを描いた挿絵とクライエントだった歴史上の人物

マドモアゼル ルノルマンは、もう一人の女性とともにサロンで占いをしていました。彼女は、ルノルマンの没後、ルノルマンの暴露本を書き、それが原因でルノルマンの名声に、汚点が付けられてしまうと言ったことも起こりました。この絵は、ずるがしこそうな占い師ルノルマンとみえる女性とその友人がジョセフィーヌをたぶらかしているように見えるシーンを描いているように見えます。
マドモアゼル ルノルマンは、もう一人の女性とともにサロンで占いをしていました。彼女は、ルノルマンの没後、ルノルマンの暴露本を書き、それが原因でルノルマンの名声に、汚点が付けられてしまうと言ったことも起こりました。この絵は、ずるがしこそうな占い師ルノルマンとみえる女性とその友人がジョセフィーヌをたぶらかしているように見えるシーンを描いているように見えます。